江戸時代が始まってから5年から10年ほどの出来事を、1609年(慶長14年)から1613年(慶長18年)まで年表形式でまとめました。

この時期は、江戸幕府が国内の支配体制を整える一方で、琉球・朝鮮・オランダ・スペイン・メキシコ・イギリスなど、海外との関係も大きく動いています。

また、キリスト教への規制が強まり、豊臣秀頼と徳川家康の関係にも緊張が見えてくる時期です。
江戸幕府が本格的に「徳川の時代」を作っていく流れを、ざっくり追えるように整理しています。

色分けの見方

  • 江戸・幕府:江戸幕府や徳川家に関係する出来事
  • 地方・諸国:各地の大名・城・人物・地域に関する出来事
  • 海外・外交:海外貿易や外国との関係に関する出来事

1609年(慶長14年)の出来事

1月

  • 京都 家康の勧めにより、豊臣秀頼が方広寺大仏殿の再建に着手する。

2月

  • 江戸・幕府 26日、幕府の許可を受け、薩摩藩主・島津家久が琉球へ出兵する。4月5日には琉球を占拠した。

3月

  • 江戸・幕府 津藩主・藤堂高虎と加賀藩主・前田利常が、江戸に人質を送る。

4月

  • 江戸・幕府 江戸幕府が東北諸大名の普請役によって、下総国銚子港を開港する。
  • 琉球 5日、琉球王・尚寧が薩摩に降伏する。

5月

  • 肥前 30日、オランダ船が平戸に入港し、通商を求める。

6月

  • 対馬 朝鮮国王が、対馬藩主・宗義智に対して通交交易の諸規定を与える。いわゆる己酉条約の締結である。

7月

  • 京都 4日、幕府が烏丸光広たち公家衆を宮中乱行事件で処罰する。
  • 薩摩 7日、幕府は琉球を薩摩藩島津家の所管とする。
  • 江戸・幕府 25日、幕府がオランダ船の通商を許可する。

8月

  • 肥前 平戸にオランダ商館が建設される。

9月

  • 海外・外交 上総に漂着したフィリピン前長官に対し、メキシコとの貿易と鉱山技師の招聘を要請する。
  • 江戸・幕府 幕府が西国大名の所有する500石以上の船を没収し、水軍力を弱める。
  • 和泉 堺に朱座を設置する。朱や朱墨などの商品を扱う商人の集まりだった。

10月

  • 海外・外交 幕府がスペイン国王に対し、貿易の保護を約束した書簡を送る。一方でポルトガルとは断交する。

12月

  • 駿河 12日、徳川頼宣が水戸から駿府へ転封される。
  • 肥前 日野江藩主・有馬晴信が、ポルトガル船を沈没させる。

日付不明

  • 江戸・幕府 中国地方・西国・北国の大名たちが江戸で年を越す。

1610年(慶長15年)の出来事

閏2月

  • 江戸・幕府 家康が諸大名の普請役によって名古屋城を築城する。市街地の造成も行われ、9月に完成した。
  • 地方・諸国 24日、長谷川等伯が亡くなる。安土桃山時代から江戸時代初期にかけての絵師で、長谷川派を狩野派に匹敵する存在へ成長させた。

5月

  • 江戸・幕府 4日、江戸幕府がメキシコとの通商を許可する。

6月

  • 武蔵 13日、ビベロが京都の商人・田中勝介たちを乗せてメキシコへ出航する。資料に残る、日本人初の太平洋横断とされる。

8月

  • 江戸・幕府 8日、島津家久が琉球王・尚寧を伴って駿府で家康に拝謁する。28日には江戸城で島津家久と尚寧が秀忠に拝謁した。

尚寧は、琉球王国第二尚氏王統の第7代国王です。

9月

  • 江戸・幕府 秀忠が古田織部から点茶式を授かる。

12月

  • 江戸・幕府 16日、幕府が明国の商人に渡航朱印を与える。家康は福建総督に書簡を送り、通商を要請した。

日付不明

  • 下野 足尾銅山が発見される。

1611年(慶長16年)の出来事

1月

  • 薩摩 21日、島津義久が79歳で亡くなる。

3月

  • 江戸・幕府 幕府が諸大名に禁裏修造を命じる。
  • 京都 27日、後陽成天皇から後水尾天皇へ代替わりし、後水尾天皇が践祚する。
  • 江戸・幕府 28日、家康と豊臣秀頼が二条城で会見を行う。

4月

  • 江戸・幕府 12日、家康が条令三か条を西国大名に示し、誓詞を提出させる。

5月

  • 海外・外交 メキシコ総督ビスカイノが、幕府に貿易許可、オランダとの貿易禁止、沿岸測量の許可を要請する。
  • 陸奥 9日、仙台藩主・伊達政宗と米沢藩主・上杉景勝の間で、領内人返しの条約が結ばれる。会津120万石から米沢30万石になった上杉家の苦しい状況が見える出来事でもある。

6月

  • 加賀・能登・越中 1日、煙草の売買が禁止される。この時代の煙草はまだ輸入品の性格が強く、想像以上に人気もあった。
  • 肥後 24日、加藤清正が50歳で亡くなる。

7月

  • 江戸・幕府 25日、家康がポルトガル使節に貿易の許可を出し、オランダ商館長には渡航朱印状を与える。

9月

  • 江戸・幕府 15日、幕府がビスカイノの沿岸巡見に際して、諸大名に法令を発布する。
  • 薩摩 19日、薩摩藩が琉球王に奄美諸島の分割を通知する。

11月

  • 江戸・幕府 28日、幕府が明国の商人に長崎貿易の許可を出す。
  • 京都 29日、角倉了以が鴨川を分流し、高瀬川に舟運を開く。

日付不明

  • 江戸・幕府 家康が朝廷に対し、朝廷官位から武家官位を定員外とするよう求める。

1612年(慶長17年)の出来事

1月

  • 江戸・幕府 15日、家康が東国大名に条令三か条を示し、誓詞を提出させる。

3月

  • 江戸・幕府 九州諸大名に江戸湊の築造を命じる。
  • 加賀 3日、加賀藩が家臣にかぶき者の召し抱えを禁止する。
  • 江戸・幕府 21日、長崎奉行所与力・岡本大八が収賄事件により火刑となる。日野江藩主・有馬晴信は甲斐へ配流され、のちに切腹する。いわゆる岡本大八事件である。
  • 江戸・幕府 21日、幕府がキリシタン禁令を公布し、京都にある教会堂を破却する。

6月

  • 江戸・幕府 2日、幕府が江戸の町に町割を実施する。

7月

  • 江戸・幕府 江戸のかぶき者たちを捕らえ、頭領である大鳥逸平らを処刑する。

8月

  • 江戸・幕府 18日、幕府が京都の寺院統制を板倉勝重と金地院崇伝に命じる。これにより寺社奉行が始まる。

10月

  • 江戸・幕府 8日、オランダ商館長が幕府に対し、国王の返書を呈する。

12月

  • 江戸・幕府 25日、幕府が諸大名・旗本・寺社に対して、朱印状発行のための知行書き上げを命じる。

日付不明

  • 江戸・幕府 駿府にあった銀座を江戸に移す。
  • 佐渡 金山が栄えたことで、遊女歌舞伎が相川に集まる。

1613年(慶長18年)の出来事

2月

  • 江戸・幕府 幕府が関東天台宗法度を定める。

4月

  • 薩摩 薩摩藩が春ごろ、琉球王朝を介して明貿易を要求する。

6月

  • 薩摩 1日、薩摩藩が琉球王国の法度を定め、明貿易に出資を行う。
  • 江戸・幕府 12日、浅草でキリシタンを処刑する。
  • 江戸・幕府 16日、諸寺入院の法度、公家諸法度、勅許紫衣法度を制定する。

8月

  • 江戸・幕府 4日、イギリス東インド会社司令官が駿府で家康に拝謁する。イギリス国王の書簡を渡し、通商の許可を受ける。
  • 江戸・幕府 10日、鉄砲洲向島の漁民を幕府の御用掛に命じ、江戸近辺での漁業権を与える。

9月

  • 陸奥 15日、仙台藩主・伊達政宗の遣欧使節である支倉常長らが、月浦から出港する。

10月

  • 江戸・幕府 25日、幕府が長崎の平戸にイギリス商館の設置を許可する。
  • 畿内 伊勢踊りが流行する。

12月

  • 江戸・幕府 23日、金地院崇伝がキリスト教禁止の草案を作る。これ以降、宣教師や信徒への弾圧が強まっていく。

日付不明

  • 江戸・幕府 幕府が天海に日光山を管掌させる。
  • 江戸・幕府 諸大名が江戸に留守居役を置くようになる。
  • 西国 諸大名が検地を実施し、知行目録を幕府に提出する。

1609年〜1613年は幕府の統制と外交が進んだ時期

1609年から1613年は、江戸幕府が国内外に対して大きく力を広げていく時期でした。

国内では、大名への誓詞提出、人質、普請役、寺社統制、町割、知行書き上げなどを通して、幕府による支配の仕組みが整えられていきます。

一方で、海外との関係も活発でした。
オランダ・スペイン・メキシコ・イギリスとの通商交渉が進み、平戸にはオランダ商館やイギリス商館が置かれるようになります。

ただし、キリスト教に対しては次第に厳しい姿勢が取られるようになりました。
1612年のキリシタン禁令、1613年のキリスト教禁止の草案は、その後の弾圧につながっていきます。

また、薩摩藩による琉球出兵や、伊達政宗による支倉常長の遣欧使節など、地方大名の動きも目立ちます。
この時期は、江戸幕府が日本国内をまとめながら、海外との関係をどう扱うか模索していた時代ともいえます。

⇒ 江戸時代1603年(慶長8年)から1608年(慶長13年)の出来事

⇒ 江戸時代1614年(慶長19年)から1619年(元和5年)の出来事