ネギとマグロで作る江戸の庶民に愛されたのがねぎま鍋である。

今ではマグロは高級な食べ食材になっているがそれはごく最近の話で昔は90センチ(3尺)ほどが3000円前後で1匹買うことができたのだ。なんとも今からでは考えられない話である。

今同じものを購入すると何万円で買えるかわからない価格であるというか2019年の初セリのマグロが3億円で競り落とされたことを考えると人気のある食材の価値を考えさせられる話である。

 

 

ネギとマグロの『ねぎま』の名前

江戸の庶民に愛された『ねぎま』とはネギとマグロをつかった鍋料理のことで、ネギとマグロの文字を組み合わせて『ねぎま』と呼ばれていました。

今の焼き鳥で鶏肉とネギが交互に挟んである”ねぎま”はもともとは鶏肉ではなくマグロとネギを交互に刺した「ねぎまぐろ」という食べ物だったのですが、マグロの価格が高騰して鶏肉に置き換わりました。

その時の名残が名前に残っています。

 

 

 

 

江戸では安かったマグロ

昔は安かったマグロですが、当時売られるときは塩マグロとしてぶつ切りの切り身の状態で売られており、料理する方法も冷蔵庫がないためにかなり限られたものでした。

そのため簡単にできる煮る鍋料理としてつかわれました。そして当時簡単に手に入る野菜としてネギと一緒に料理されるようになしました。

 

 

 

トロが人気がなかった理由

今はよく食べられるトロですが江戸時代は人気がありませんでした。

当時がまずかったのかと言えば、ある意味ではそうなのかもしれません。

油の多いトロは醤油漬けで下味をつけるにも脂分が多いために浸透しづらく寿司などには向いていませんでした。

また、港の近くでとることができず漁獲してから魚河岸に運ばれるまでに鮮度を保つことができずに臭みが生まれ食べるのに向いていない魚でした。

そういった魚は、畑の肥料として利用されましたが、昭和ごろになると新鮮に港にマグロを持ち帰ることができるようになってから当たり前のように食べられるようになり現代では高級魚として食べられています。