日本では1980年代まではお見合い結婚のほうが多かったのですがテレビドラマの影響かだんだんと恋愛結婚が当たり前になってきました。しかし、現代ではまた結婚相談所や街コンといったお見合いの場での結婚が増えてきているように思えます。
現代の日本の価値観では結婚する人は好きあっている二人がおこなうという考えが主流です。世界に目を向けると略奪婚といった日本人には理解しがたい文化もありますが、日本では恋愛結婚かお見合い結婚が主流です。
結婚するまでに恋愛結婚なら自然の流れとやできちゃった結婚といった出来事で結婚をしますが、お見合い結婚の場合はまず相手を仲人に紹介してもらいそこから関係が始まります。そうしてデートをしつつ相手を理解してから結婚という流れになります。
しかし、江戸時代の庶民のお見合いは少し違いました。
中流家庭のお見合い
庶民は武家とは違い自由に結婚することが認められていました。武家は武家諸法度によって結婚を幕府から厳重に管理されています。
本人の意思で結婚相手を探すことができる庶民ですが、江戸時代でも中流の家庭になるとそう簡単な話ではなくなります。武家と同じように家の格や相手の家の商売の状況、財産などが考慮されるようになります。そうした問題をクリアした相手を親や仲人が見つけてきてそこからお見合いをします。
お見合いといっても現代のように顔を合わせて「ご趣味は?」といったことを聞くようなことはしません。この時代のお見合いは今以上に面倒で神社へ参詣してそのおりに寄った茶屋で偶然居合わすといった状況を作って相手がどういった人物かを容姿や仕草などをよく観察して判断します。
このお見合いでよく用いられていたのが神社仏閣といった場所への参詣の時に立ち寄る境内の茶屋を利用していました。ほかには芝居見物を装って桟敷席(さじきせき)という特別な席で偶然のようにお見合いが行われました。
そうして相手を気に入ればその婚礼が決まり結納となります。結納では男性の家族が相手の女性の家に訪れます。面白いのはこの時に夫婦になる本人たちは参加しません。
お見合いをしても相手を見るだけで言葉を交わさないのでどんな言葉遣いなのか?趣味?人格?など様々なことが分からないままになっています。そこを相手について詳しい仲人が代わりに取り持ちます。
仲人は本来はお二人の性格や家の状況などをしっかりと把握している人で、彼らだったら結婚後も上手くやっていけるだろう二人を結び付ける役目をはたしていました。
そのため仲人を入れた結婚分かれることは少なく、結婚した二人も仲人の顔を立てるために簡単に離婚しづらく、争いになっても仲人が仲裁をしていたようです。
仲人が仕事になる
そんな仲人もお見合いの文化が庶民に広がりだすと、お見合いをセッティングしてくれる仲人も専門の仕事がうまれます。
江戸時代の結婚では男性のところに女性が持参金をもって嫁ぐことになります。この持参金、結婚が決まりと仲人に1割ほど謝礼として渡すしきたりがあり、江戸時代が進むにつれお見合い結婚が庶民に浸透していくと報酬目当ての仲人を行う人た現れました。
持参金を持ってきた女性は男性のあげるのかといえば、このあたりは複雑で夫にあげたのかと思えば持参金や結婚道具は離婚するときは女性に返さなければいけません。
男性が女性の持ってきた持参金で店を立てて持参金を返すことができなくなって離婚したくても離婚できない話や女性の婚礼の道具を質にいれてしまい離婚後に訴えられたりしています。